アドバンス・ケア・プランニングとは何か?

アドバンス・ケア・プランニングの定義は将来の意思決定能力の低下に備えて、患者やその家族とケア全体の目標や具体的な治療・療養について話し合う過程(プロセス)」とされています。

簡単に言うと“もしものための話し合い”です。

この話し合いには、“もしもの時”に、自分がどんな治療を受けたいか、または受けたくないか、そして自分という一人の人間が大切にしていること(価値観)などを、前もって大切な人達と話し合っておく、その一部始終が含まれています。

ここまで読んで、「『なんだ、今のうちに遺言状を準備しておくように』という話か」と思った方がいるかもしれません。

確かに遺言状の作成もアドバンス・ケア・プランニングの一部ではあります。

しかしながら、アドバンス・ケア・プランニングと遺言状作成には大きく異なる点があります。

それは、アドバンス・ケア・プランニングは一人ではできない、ということです。つまり、話し合いには相手が必要ということなのです。

当たり前のようですが、この話し合いが実は難しいのが現実です。

なぜ話し合えないのでしょうか?多くの人にとって、自分にはまだ関係ない、できれば先延ばしにしたい、そんな話題なのかもしれません。

しかし、実際にその時が来たら考えられない、考えたくない、話し合えない・・・そういうケースは少なくありません。

医療者関係者は、常に患者と家族にとっての最善は何か、を考えながら治療・ケアにあたっています。

アドバンス・ケア・プランニングは患者と家族と医療者の双方が考える最善を達成するための一つのツールになり得るものです。

とはいえ「今は決めたくない」「考えたくない」と思っている人に無理強いするようなことがあっても意味がないとも言えます。

もしもの際は自分の意思を最大限尊重してほしい、そう思っている方がいるのであれば、まず自分の意思・希望が何であるかを考えて、それを大切な人(=あなたの意思決定の代理人になってくれる人)と話し合いしっかりと理解してもらうことが大切になってくるでしょう。

具体的な方法としてて、書面に記しておくとなお良いでしょう。

そして、人間誰しも心が変わることもあります。

この話し合いは一度で終わりとはせず、折に触れて継続して話し合っていくことも大切です。

これらのことは人によっては非常に難しく感じることもあるかもしれません。

しかし、アドバンス・ケア・プランニングを適切に行い一人一人の意識が変わっていくことによって日本における医療、福祉全体がより良きものになっていくことに繋がっていくことになると考えています。